家の解体を自分で行うときの注意点

家の解体を自分で行うときの注意点


家の解体は自分で行うことも可能です。かなり大変だとは思いますが、敢えてそうした作業を自分でしてみようという思いには共感するものがあります。

廃材の画像

ただし、建物にアスベストを含む建材が使用されている可能性があったり、隣接する建物との間に十分な空間がない場合などは、やはり初めから専門の解体業者へ依頼することをお薦めします。

密集地域の家屋を解体する場合は騒音や埃などで少なからず近所に迷惑を掛けてしまいますので、周囲の理解を得ながら手際よく解体工事を終了することが求められます。自分で出来るとは思っても、近隣への影響には最大限の配慮が必要です。

家の解体は、建築にたずさわったことのある方であれば、建てていく逆の手順を踏んでほぐしていけば良いわけなので、それほど難しいことではないかもしれません。

けれどもまったく経験のない方にとっては困難な作業になると思います。とはいえ興味をもって取り組む人にとっては、それこそが貴重な体験ですし、色々な発見や学びも得られることでしょう。素人作業では安全対策が疎かになりがちですので、そこのところは十分に配慮して挑戦してみてください。

家の解体を自分で行う際に必要な行政手続き


・建設リサイクル法に基づく届出

建設リサイクル法は近年の廃棄物発生量の増大に伴い、建設(解体)工事に伴って廃棄される「コンクリート塊」「アスファルト・コンクリート塊」「建設発生木材」の有効利用を図るために平成12年5月に制定された法律で、以下のような一定規模以上の建設(解体)工事について分別解体等及び再資源化等を行うことを義務付けています。

(1)建築物の解体工事では床面積80u以上
(2)建築物の新築又は増築の工事では床面積500u以上
(3)建築物の修繕・模様替え等の工事では請負代金が1億円以上
(4)建築物以外の工作物の解体工事又は新築工事等では請負代金が500万円以上

家の解体を自分で行う際に対象となるのは(1)の項目になるかと思いますが、対象工事の実施に当たっては、工事着手の7日前までに都道府県知事に対して分別解体等の計画等を届け出ることが義務付けられています。


・建物滅失登記

家の解体を行ったら、建物が無くなった(滅失した)ことを法務局に届け出る必要があります。この届け出を行っておかないと、建物を含む状態で評価を受けた固定資産税を延々払い続けることになります。

滅失登記は建物の解体完了から1カ月以内に行うように法律で定められていて、1カ月を過ぎて放置しておくと罰則(10万円以下の罰金)を課される場合もあります。

建物滅失登記を行うには、まずは法務局で登記簿謄本を取得し、対象となる建物の登記内容を確認します。簡易な小屋などは登記がなされていないこともあり、そうした場合は滅失登記をする必要はありません。滅失登記の必要が確認された場合は法務局にて申請書を入手し、必要事項を記載し提出します。費用は自分で行う場合は登記謄本を取得する費用(1通1,000円程度)のみ、土地家屋調査士に依頼する場合は3〜5万円程度が必要になります。

家の解体を自分で行う場合の作業手順


 家の解体を自分で行う際に、どこから手を付けて良いものか迷われる方もおられると思います。行政手続きについては前の記事で触れましたので、ここでは実際の解体作業についてです。ただし、住宅密集地の場合は想定外とします。住宅密集地での家屋解体は周辺に対して特別な配慮が必要ですし、素人の手に負えるものではありません。
建築中の家の画像
 さて、実際の解体ですが、自分でコツコツと行うのだとすれば、その手順は家を建てるときの逆手順になります。解体業者が行う場合も基本的には一緒なのですが、重機を用いた解体ではかなり強引な力技も可能になるので、プロの作業ではそうした手順をたどる必要がない場合も多いです。

 ということで、家を建てる時の大まかな手順を確認してみましょう。昭和50年代以前に建てられた家屋で棟数の多いであろう木造軸組工法の場合を想定します。

1. 基礎工事 … 鉄筋を組み、型枠で囲ってコンクリートを流し込み、建物を乗せる基礎を造る。

2. 足場の設置

3. 建前・棟上げ … 予め刻み加工を施した材料を組み上げて棟木を上げる(建物の骨組みが出来上がった状態)。

4. 屋根工事 … 屋根の下地を張り表材を施す。

5. 設備・配管・配線工事 … 壁や床に隠れる部分の配管や配線、壁が出来てからでは搬入できない浴室設備等の据え付け。

6. 床下地工事

7. 壁下地工事

8. 窓や玄関建具の取り付け

9. 内・外壁仕上げ

10. 足場の撤去

11. 床仕上げ

12. トイレ・キッチン設備等の据え付け

13. 屋内建具の取付け


 家の建築は概ね以上のような工程で行われますので、それを遡りながら一つ一つ取り外し、解していくのが安全で理に適った解体方法です。その過程で、廃材の分別も行っていきます。では、面倒かもしれませんが実際に遡りながら解体の手順を確認してみましょう。


1. 屋内建具の取外し

2. トイレ・キッチン設備等の撤去

3. 床仕上げ材(畳など)の撤去

4. 足場の設置

5. 内・外壁仕上げ材の撤去

6. 窓や玄関建具の撤去

7. 壁下地材の撤去

8. 床下地材の撤去

9. 設備・配管・配線の撤去

10. 屋根材の撤去

11. 軸組み材の解体 … 建物の骨組みとなっている棟木、束、梁、桁、柱などの材料を、上から順番に取り外してゆく。

12. 足場の撤去

13. 基礎の撤去


 以上が家の解体の大まかな手順となりますが、イメージが出来ましたでしょうか。自分だけで行うのが難しい工程のあることもご確認いただけたかと思いますが、以下に例示してみます。

・足場を業者に依頼して設置しコツコツ自力での解体作業をしていたのでは、日数で加算される足場資材のレンタル料金がかさんでしまう。

・高所の棟木や梁、桁などの大きな横架材の取り外しには人数や重機の助けが必要。

・基礎の撤去には粉砕工具や鉄筋の切断工具など、それなりの道具を安全かつ有効に扱える技術が必要。

 建物を解体する作業には多くの危険が伴います。本当に着実に、慎重に行う必要があって、イチかバチかの作業は厳に慎まなければなりません。DIYを嗜む方であれば経験もあるかもしれませんが、パワーツールでの怪我も怖いものです。可能なところは自分でするとして、困難な箇所は無理をせずに専門業者へ依頼したほうが、結果的には安くつくということもあります。どうか安全第一で計画を立てて頂ければと思います。

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